
こんにちは、どんぐりです。
国家資格1級建築施工管理技士を持ち、マンション大規模修繕工事に15年携わる中で、感銘を受けた話がありますのでお話致します。最後まで読んでいってくださいね。
心に響いた理事長の言葉
マンションを一軒の家と例えると、理事長が父、理事会が母。
その他一般の居住者が子である。
工事や災害などには一家一丸となって取り組まないといけない。
…
これは、以前私が担当させて頂いた物件の理事長の言葉です。
この言葉は当時感銘を受け、また助けられましたので非常に印象に残っています。
マンションには沢山の方が住まわれていますので、やはり幾人かは非協力的な方がおられます。
ご説明にあがったり、お話を聞いたりして対応していくのですが、どうしても話が進展せず、そのお宅だけ工事がストップする事があります。
こういう場合は、監理者の先生と管理組合様にはご報告させていただくのですが、その先の対応が物件によって全く違うのです。
良い例と悪い例をお話させて頂きます。
工事が止まってしまう!
報告を管理組合様に報告。
理事長「それはお宅の問題だろう?こちらに持ち込む前になんとかしてください。」
管理組合様から一文でも頂けたらとの思いは儚くも散りました。
たしかに、対応が悪かったかもしれません。
もっとお話しをたくさん聞きだせばよかったかもしれません。
反省することはたくさんありますが、工事が止まってしまうと、その方だけでなく上下左右の居住者様にもご不便をかけてしまいます。
藁をつかむ思いで報告させていただいたのですが、返ってきた言葉はこういうものでした。
その後、何度も何度もお話しているうちに打ち解け、該当工区からはかなり遅れたものの工期内には無事竣工しました。
ただし、上下左右の方には足場を長く残置した為、多大なるご迷惑をおかけしました。
家族の心の準備ができていない
また、こういう事もありました。
工事契約前に工事説明会があり、足場の設置の為お車の移動の説明を致しました。
契約前に居住者様と個別に会う事は基本的に致しませんので、説明会にて移動をお願いするというスタイルとなりました。
その際、該当の駐車場のうちのお一方がご気分を害され、工事に協力しないという事態となりました。
その後の理事会にて経緯などの説明を行いました。
理事長「先生(監理者)、これは誰が悪いの?」
監理者「もちろん、施工者(私たち)が行くのが当然です。」
理事長「じゃあ全部対応は、監督Aさんやってよね。」
一番初めの理事長の言葉どおり、マンションを一軒の家とするならば、家を工事するよーとなった時、必ず家族に話をして工事を依頼すると思います。
しかし、この物件の場合、子供に工事するという説明をどこからか来たおじさんに任せ、子供が工事の支障になったとしても(言い方悪くてスイマセン。)親は知らないよと言っているのと同じです。
管理組合の熱量
工事がスムーズに進む物件には、必ず熱意のある管理組合様が存在します。
管理組合が一丸となって設計に参加し、また、居住者全員の協力を得られるよう広報を積極的におこないます。
問題が起こっても、理事長をはじめ専門委員の方が臨時でも集まり、夜間であっても対象の居室を訪問し、協力を仰ぎます。
修繕委員「工事が始まるまでに工事がちゃんと始められるようにするのが私たちの仕事。工事中も困った事があればどんどん報告してください。」
理事会、修繕委員会の連携も取れ、選択事項はどんどん決まっていきます。
かなり大きな物件でしたが、こういう良い管理組合がある建物は総じて問題が起こりません。
もともと居住者様の連帯感も強く協力的です。
そしてなによりも、皆様納得して工事が始まっているからなのです。
設計監理に任せきりにしない
本来、監理者が工事につく場合、監理者は理事長の代理として工事を見守ります。
また、私たち施工会社と管理組合様を繋ぐ橋渡し的な役目をします。
工事のコーディネート的なところを任せる為に管理組合様はあとは何もしなくてもよいような錯覚に陥ります。
しかし、決定権はすべて管理組合様にあります。
積極的に設計や工事に関わって頂いたほうが良い結果に繋がると思います。
解らない内容は説明を求め、こうしたいという意見は発信していくべきです。
もちろん、法律的なこともあったりしてすべては通りません。
しかし、説明を受けて納得することが大切なのです。
親として

理事長様、管理組合様は期間中、一家の親として大切な家を守っています。
だからこそ、設計や工事を人任せにせず、積極的に関わっていきましょう。
管理組合様の本気は居住者様や私たちに必ず伝播します。
皆様で一丸となって大規模修繕工事を成功させましょう。
私たちも微力ながら全力でご協力致します。
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