新築マンションを購入する際、当然の様に将来の支払計画を立てますよね。その支払計画の基は新築時の不動産業者の担当者から出された資料でしょう。
しかし、その資料に記されている金額は正しいのでしょうか。ローン、運営費、修繕積立金…。実ははじめて提示された金額では収まらない事が多いのです。
計画よりも固定費が高くなってしまうとどうなるでしょうか。支払いが増え、食費や生活費が苦しくなってしまいます。そうなってくると、家族計画なども狂ってしまう事があります。そうなると人生自体が狂ってしまいます。
そうならないよう、マンション購入時の固定費は上がるものとして考えておく必要があります。
これならなんとか支払していけそうだわ。
この記事ではこの様なお悩みを解決していきます。
- 支払えるならギリギリで購入してもよい?
- 新築時の支払試算は変わらない?
ここで少し、私の紹介をさせてください。
どんぐり所長
- 国家資格 1級建築施工管理技士
- マンション大規模修繕工事 現場所長
- マンションに携わり18年
- 経済的自由を目指し、節約・副業・投資を実践
- 副業として4つのブログサイトを運営
- X(旧twitter) フォロワー7,700人
マンションに携わり15年以上の私が、修繕積立金が上がるりゆうについて解説していきますので最後まで読んでいってくださいね。
【結論】修繕積立金は上がる
新築当初に試算した修繕積立金は、ほぼ必ず上がります。
また福利施設が多い場合は後々修理費や維持修繕費に予想以上にお金がかかり、管理費が上がる可能性があります。
修繕積立金とは
マンションの修繕積立金は、共用部分や設備の修繕や更新に必要な資金を、分譲された全ての部屋のオーナーが分担して積み立てる制度です。日本では、分譲マンションにおいては、建物の管理や修繕の責任は管理組合に委ねられています。管理組合は、修繕の必要性や費用を評価し、修繕積立金を定期的に集めることで、将来的な修繕に備えることができます。
具体的には、管理組合は、建物の診断や点検を定期的に行い、修繕が必要な箇所や時期を把握します。そして、修繕が必要とされる箇所や設備の更新に必要な費用を算出し、マンションのオーナーに修繕積立金を集めます。この修繕積立金は、オーナーの所有する部屋の面積に応じて分担され、一定期間ごとに分割して支払うことが一般的です。
修繕積立金は、将来の修繕や更新に備えるために積み立てられるため、管理組合は積立金を適切に運用することが求められます。積立金の運用方法については、金融商品や投資信託、定期預金など様々な方法がありますが、適切なリスク管理を行い、将来の修繕に備えるための資金を確保することが重要です。
修繕積立金は、マンションの管理において欠かせない資金であり、適切に積み立てられることで、マンションの長期的な維持管理や住民の安心・安全を確保することができます。
マンション大規模修繕工事とは
マンション大規模修繕工事は、マンションの共用部分や設備の修繕や更新を行うために実施される工事です。マンションの管理組合が、定期的に行う建物の点検や診断に基づいて、修繕が必要とされる箇所や設備を把握し、必要な費用を算出します。そして、修繕に必要な費用を補充するために、修繕積立金や借入金を活用して、大規模修繕工事を実施します。
大規模修繕工事の内容は、マンションによって異なりますが、以下のような工事が一般的に行われます。
- 屋上防水工事:屋上の防水層の補修や更新を行います。
- 外壁塗装工事:外壁の塗装や補修を行います。
- エレベーター更新工事:古くなったエレベーターの更新を行います。
- 雨水・排水設備の更新工事:排水管や雨水管の補修や更新を行います。
- 外部設備の更新工事:ベランダ手すりや駐車場の改修などを行います。
- 内部設備の更新工事:共用部分の配管や機器などの更新を行います。
大規模修繕工事は、マンションに住む住民にとっては、一時的に騒音や振動、通行の制限などが発生することがあります。また、工期も長期にわたるため、住民は一時的に他の場所で生活する必要がある場合があります。
そのため、大規模修繕工事は、工事の内容や予定工期などを事前に住民に周知し、住民の理解と協力を得ることが重要です。また、工事期間中は、住民の安全と生活環境を確保するため、工事の進捗状況を定期的に報告し、問題が発生した場合には迅速な対応を行うことが求められます。
大規模修繕工事は、マンションの長期的な維持管理に欠かせないものであり、住民の安全と快適な生活を確保するためには、適切な計画と実行が必要です。
マンション購入後にかかる固定費
購入後にかかる主な固定費は以下。
固定費 | 金額の目安 |
マンション購入費の月々返済額 | 購入物件による |
管理費 | 月々8,000円~20,000円程度 部屋の大きさや施設による |
修繕積立金 | 月々6,000円~18,000円 マンションの構造や経年数による |
駐車場代 | 月々8,000円~20,000円程度 マンションの立地や駐車場の形態による |
火災保険 | 契約される保険による |
固定資産税 | 毎年 土地・建物の評価額の1.4% |
都市計画税 | 毎年 土地・建物の評価額の0.3% |
この中で、年々負担が増えていく物がありますのでご説明します。
管理費
管理費については、マンションの築年数が多い物件の方が負担が大きい傾向があります。
- エレベーターなどの維持管理費、交換費
- クリーンサービスの増員
- 新築時の管理費の設定が低すぎた
施設の老朽化については、エレベーターや自動ドア、インターホン、ドアパッキン、廊下灯、流水施設などが含まれます。こちらについてはやはり、築30年程度を目安に検討にはいります。
流水施設に関する詳しい記事はこちら➤➤➤【噴水】流水施設のあるマンションは買いか?【滝】
クリーンサービスや清掃範囲の拡大については、新築当初想定したよりも管理状態が悪い場合にされる場合があります。
新築購入時の管理費の設定については、なるべく固定費を少なく見せて販売したい不動産業者の思惑が入っています。購入時は安く設定し、後は管理組合様が検討すればよいという流れが見て取れます。
実際、運営が始まり、予算などを算定した際に、管理費の値上げが必ず議論上に上がってきます。
- 豪華な施設があればそれだけ維持管理費がかかる
修繕積立金
修繕積立金も経年によって金額が高くなっていく場合が多いです。
- 建物の劣化状況が悪化していく
- 修繕工事の工事費が年々上昇していく
- 新築当初の修繕積立金の想定が低すぎた
- 建物が複雑な為、足場費用が想定以上にかかる
建物の劣化状況については、年々少しずつ劣化していきますので、築年数を重ねる度に費用が高騰していく事が想定されます。
タイルの修繕についての詳しい記事はこちら➤➤➤外壁タイルはメンテナンスフリー!…ってホント!?
工事費については、国交省の仕様変更などで費用が上がったり、その時の情勢などで人件費が上がったりします。
工事費についての詳しい記事はこちら➤➤➤大規模修繕工事の施工費は年々上がっている
新築当時の修繕積立金の設定金額については、管理費と同じで、月々の負担が安くなる様に低めに設定されています。管理組合が長期修繕計画を策定後に予算が足りない事が発覚し、値上げとなる事がほとんどです。
建物の形状が複雑すぎて、足場などの組払費用が当初の想定をはるかに超えて多くかかる事が発覚する場合があります。築後10年住んでみても居住者は建築では素人さんなので気づかず、いざ大規模修繕工事を計画すると、見積金額にびっくりするパターンです。
デザイナーズマンションやお城の様に大屋根が中段にいくつもあったり、瓦屋根を使っている場合、足場費用が大きくなる場合が多いです。
奇抜なマンションほど足場代が高いと覚えておきましょう。
また、デザイナーズマンションやタワーマンションの場合、建てた会社も大規模修繕工事を想定せずに建てている場合があります。このような場合、足場費用が高騰する場合が多いです。
管理費についても、新築10年以内に必ず上がると考えておいてよいでしょう。
上がらないかもしれませんが、想定しておかないと、いざ上がった時に対応できませんからね。備えあれば患いなし!です。
駐車場代
駐車場代も上がる可能性があります!特に機械式の駐車場の場合はメンテナンス費や交換費用もでてきますので高騰しがちです。
駐車場をタイプ別に比較した記事はこちら➤➤➤【マンション購入】駐車場の管理費が少ない物件を選べ
- 駐車場のタイプによっては維持修繕費がかかる
管理費と修繕積立金が安いなら新築の方がお得?
修繕積立金と管理費が安いのなら、新築の方が優位では?それはその通りなのですが、「資産価値が落ちない優良物件なら」です。
新築物件のほとんどは、鍵を受け渡されて開けた時点で20%程度価値が落ちると言われています。いくら管理費・修繕費用が安くても、部屋自体の資産価値がそれ以上に落ちてしまうと、本末転倒ですので、価値が下がらない優良物件を買う事が必須条件となります。
資産価値に関する詳しい記事はこちら➤➤➤マンションの資産価値と使用価値
- 管理費や修繕積立金は将来上がるが、それ以上にマンションの資産価値は落ちる
おすすめの物件
マンションの管理状態がおちついて、大規模が1回終了した築15年程度の中古マンションがおすすめ!
管理費や修繕積立金も工事を1回経験する事で大体把握できています。1回目の工事でとんでもない費用が掛かった物件は、2回目・3回目も同様になりますので、購入を控えるようにしましょう。
では、またっ!