マンションの購入を考える上で、「買ってはいけないマンション」があります。
購入を考えている時は気分が高揚していて、普段なら気づくことも見落としがちになります。
ここで一度冷静になって、どういうマンションを購入してはいけないのか確認しておきましょう。
新築で綺麗なマンション買っておけば大丈夫じゃないの?
この記事では、この様なお悩みを解決していきます。
- どの様なマンションを購入してはいけないのか知りたい
- 新築マンションと中古マンションどちらがいいのか
- 資産価値が落ちないマンションが知りたい
ここで少し、私の紹介をさせてください。
どんぐり所長
- 国家資格 1級建築施工管理技士
- マンション大規模修繕工事 現場所長
- マンションに携わり18年
- 経済的自由を目指し、節約・副業・投資を実践
- 副業として4つのブログサイトを運営
- X(旧twitter) フォロワー7,700人
この記事では、買ってはいけない物件が何故買ってはいけないのか、分かりやすく解説していきますので、是非最後まで読んでいってくださいね。
マンション購入は資産価値で考える
マンションは資産だとお考えですか?
自分が欲しい物件を何も考えずにローンで購入すれば、それは「負債」です。
ではどうすればよいか。
購入するならば、「資産価値のある物件」を購入すべきです。
資産価値のあるマンションとは、将来的に価値の下がらないマンションの事です。
「自分が欲しいから」という理由だけで購入しない事です。
何故なら、自分が欲しい、自分にピッタリだと言う物件は概ね大多数の他人からみて妥協点が満載だからです。
中古マンションの購入をお考えのあなた。気に入ったマンションが見つかって、今すぐにでも契約したい!
その気持ちはよく分かります。
でも、少し落ち着いて考えてみましょう。買ってはいけないマンションの特徴を踏まえてからでも遅くはありません。
デメリットを把握しておきましょう。
買ってはいけないマンション7選
ではどういう物件が資産価値がないのか、買う前にしっかり勉強して確認しましょう。
- 新築マンション
- 駅から遠いマンション
- デザインが凝りすぎているマンション
- 躯体の状態が異常に悪い物件
- 築35年以上の物件
- 西向きバルコニーの物件
- 管理状態が異常に悪い物件
新築マンション
えっ、新築マンションダメなの?
資産価値を考えた場合不利になります。
図解は当サイトへのリンクを貼って頂ければご自由に使用して頂いて結構です。
新築マンションは1年目にガクンと落ちているのが分かると思います。
ただ、この表は国土交通省の資料を参考に作成していますので、実税価格は資産価値に上乗せされて新築販売されているため、実情は1年で3~4割落ちたりする事もあるようです。
もちろん、すべてがこれに当てはまるというわけではありませんが注意が必要です。
新築マンションを売りたい営業マンは返済条件や購入後に掛かる管理費・共益費、修繕積立金など、買いやすい金額で設定し、返済計画を作成し提示してきます。
この金額ならやっていけそうね…。
購入してから、修繕積立金や管理費が上がる。よくある話です!
修繕積立金の詳しい記事はこちら➤➤➤【新築マンション購入後】修繕積立金は必ず上がる
- 新築は鍵を開けた瞬間に価値が2~3割下がると言われています。
価格の下落変動が大きいのが築後20年くらいまで。
資産として考えた場合、買った瞬間に2割落ちるものは考えにくいです。
買った瞬間に2割下がる株は買わないですもんね。
では資産価値の落ちないマンションとはどういう物なのか?
それは駅直結マンションだったり、超都心部の物件やハワイのコンドミニアムのような付加価値の大きい物件など。
こういう物件ってなかなか購入チャンスがありません。
中古ならば、まだチャンスがあるといえます。
駅から遠いマンション
出典:スタジオジブリ 「場面写真を提供します。常識の範囲内でご自由にお使いください。」より
マンションの価値のほとんどは立地です。
立地で価値が決まると言っても言い過ぎではありません。
都心部へのアクセスが良い駅の徒歩7分程度が目安です。遠くても10分圏内がよいでしょう。
10分以上歩かなくてはならないマンションの人気は格段に落ちます。人気がないと言う事は、売れにくいという事に繋がります。
- マンションの資産価値はほぼ立地で決まる
- 売れにくい=資産価値が低い
なかなかチャンスはありませんが、駅直結マンションは是非検討しましょう。
駅近マンションの詳しい記事はこちら➤➤➤【資産価値】駅近直結のマンションは利便性最高
立地は妥協しないこと!
また、郊外・高台がどうしても良いという方は「戸建て」も視野に入ってきます。
必ずしもマンションに拘る必要がないかもしれません。
郊外・高台について詳しい記事はこちら➤➤➤郊外・高台は戸建てを検討しよう
そうかー郊外や高台なら戸建てもいいクマね。
デザインが凝りすぎているマンション
出典:スタジオジブリ 「場面写真を提供します。常識の範囲内でご自由にお使いください。」より
デザインが懲りすぎているマンションは問題を抱えている事が多いです。
有名デザイナーや建築家が建てたマンションなどがそうです。
複雑なデザインを用い、外部からのインパクトを狙った奇抜なデザインは見る物の目を奪います。
屋根の形状について
多くの場合、最上階からの漏水などの問題がでてきます。
建物はなるべく凹凸を作らないように建てるべきです。
- 屋根部の起伏が多ければ多いほど、防水には不利です。
マンションの屋根についての詳しい記事はこちら➤➤➤マンションの屋根
有名建築家は「デザインであり、芸術だ!」と言って責任とりませんしね。
足場の組立について
また、デザインに凝った為、大規模修繕工事の際の足場計画が難航する場合が多いです。
- 同程度のマンションの倍近い足場面積になる場合もあります。
大規模修繕工事における足場というのは、お客様に残りません。
工事をする為の足場ですから、空中にお金を出しているイメージです。
そこに、大金をつぎ込まなければならない状況というのは、心中お察し致します。
足場に使わなければ、自動ドアをつけてみたり、他のものに使えたお金かもしれません。
新築時の価格が高い
デザインに凝ったマンションは新築時、高額な場合が多いです。
漏水する、大規模修繕工事も大変な、マンションを高額で購入するというのは考えた方がよいのでは?
屋根や形状はシンプルが一番です。
躯体の状態が異常に悪いマンション
- 外から見上げると、手摺や妻壁のタイルが剥がれているまたは大面積貼り替えられている
- 大きなひび割れが見える
- 天井のコンクリートが剥落している
- 地震などでずれ、連結している複数の建物で高低差がでてしまっている
このような物件の場合、購入を見送るべきです。
- 素人目に見てわかるほど、建物の状態が悪いマンションは本当に悪い
- 漏水事故などの起こる確率が高い
- 建物の状態が悪いという事は大規模修繕工事の工事費も多額になる
- 工事費が多額になるので、修繕積立金も上がる
ご自分の部屋が該当すれば目も当てられませんし、大規模修繕工事などでも、高額な費用が掛かるのが間違いないので、修繕積立金などの負担も大きくなります。
タイルについてはこちらで詳しく解説しています。➤➤➤外壁タイルはメンテナンスフリー!…ってホント!?
その様な物件は問題が常態化しています。
築35年以上のマンション
およそ築35年以上の物件については購入を見送った方が良いかもしれません。
何故かというと、新耐震基準がこの当たりの物件を境に変更され施工されているからです。
35年以上経過しているマンションはこの基準を満たしていません。
もし、大地震が起こった際に破損や倒壊の可能性が比較的高くなります。
ただ、物凄い好立地の場合、近隣の方などにヒアリングしてみても良いかも知れません。
旧耐震基準であっても地盤の固さや基礎の施工で、大地震をしっかりと切り抜けている物件もあります。
東日本大震災や阪神大震災を経験したにも関わらず、ほとんど被害がでなかったマンションならば検討に値すると考えます。
古い物件でも良い地盤の上に建っていれば、被害が少ないです。震災を無傷で超えてきている物件は、良い地盤に建っている可能性が高いですね。
- 35年以上前の物件は耐震基準が今より緩い
- 大震災などを無傷で超えてきている物件は地盤が良い事が予想されるので検討
バルコニーが西向きのマンション
バルコニーの向きも重要です。
よく一般的には、南向きが良いと言われますよね。それにはちゃんと理由があります。
光の入り方や時間などが最適なので南向きが推奨されています。何故、西向きがダメなのか?
夕日の強い日差しが、低い角度でお部屋の奥まで入ってくると、かなり眩しい&暑く感じます。
特に冬場は太陽が低くなるので顕著になります。
夕方お部屋に戻って来てから、暗くなるまでカーテン引きっぱなしの様な状況も考えられるので、なるべく南向きのバルコニーのマンションを検討しましょう。
グーグルマップなどで見たらすぐわかるので確認しましょう。
現地に行かなくてもネットで調べたらわかります!
- あなたが思っている以上に西日は強い(特に冬)
- 日照時間や日射角度が最適なので南向きバルコニーのマンションは人気がある
- 南向きは、人気がある=資産価値が高いという事
管理状態が悪いマンション
出典:スタジオジブリ 「場面写真を提供します。常識の範囲内でご自由にお使いください。」より
マンションは本当に管理が大切です。居住者の変わりに管理会社が、掃除や維持管理を行ってくれます。
ただ、管理状態はピンキリです。管理状態が悪いと、最悪建物にも影響がでます。
悪い管理会社はこのようなところ
- 各所の清掃が行き届いていない
- 樋などの清掃を行わず漏水事故を発生させる
- トラブルの多い居住者を放置
- 不特定多数の部外者の立ち入りを制限しない
- 居住者とトラブルを起こしてしまう
漏水箇所を見逃したり、樋の清掃を行わずに漏水させたり。はたまた、居住者に横柄な態度を取る管理員もいたりします。
廊下の管理状態についての詳しい記事 ➤➤➤共用廊下の状態で管理状態や民度がわかる
集合ポストの管理状態についての詳しい記事 ➤➤➤集合ポストに見え隠れする人間模様【トラブル回避】
エレベーターの管理状態についての詳しい記事➤➤➤【現地確認】エレベーターにモラルが見える
ベランダ手摺の管理状態についての詳しい記事➤➤➤バルコニーの手摺 アンテナ・布団干ししてもいいの?
- マンションを買うという事は、管理してもらう管理会社も同時に選ぶという事
素敵な管理会社を選ぶ様にします。
部屋の中は最後に検討する
マンション選びの優先順位は、
- 立地(都心までの距離、駅までの距離、近隣環境)
- 管理状態
- 建物の状況
- 部屋の間取りや設備
みなさん本当に勘違いしやすいのが、部屋を第一に考えてしまう事です。
金額と部屋の間取りで決めてから、現地を見に行く。
でも実際は、買いたいマンションを決めてから部屋です。
部屋の中はリノベーションすればいくらでもご希望のお部屋にする事ができます。
しかし、立地や管理状態はリノベーションできないという事をしっかりと頭に置いてください。
詳しい記事はこちらから➤➤➤【中古マンションは】部屋の中はどうでもいい【外が大事】
マンション購入は部屋ではなく、そのマンション全体を愛せるかどうか。
- 買いたいマンションを決めてから部屋を決める
自分が買いたいのではなく、誰もが買いたいマンションを買う
ご自分の判断だけで買う物件を決めない事です。
何故ならご自分で決める場合、大小ありますが「妥協」するからです。
主な妥協点
- スーパー遠いけど車で行けばいいか。
- 駅まで遠いけど、バス乗れば7分だし、自分が我慢すればいいかな。
- 管理状態が悪いけど、部屋の中は綺麗だから決めた。
- 車通勤で機械式駐車場しかないけど、部屋がいいので決めた。
確かに、ご自身が納得すれば良いかも知れません。
でも、考えてみてください。
その部屋を売りに出した時。次に購入を検討されている方が同じように「妥協」してくれるでしょうか。
「妥協点」の多いマンションは、やはり売れにくいのです。
マンションを購入される時に、他人なら買うかなという事を考えて買うと、後々困る事になりにくいと思います。
マンションの資産価値についてはコチラの記事で詳しく解説しています。➤➤➤マンションの資産価値と使用価値
他人も欲しがるマンションを買う事が、資産価値を求める上では重要です。
- 自身が妥協できる点を洗い出し、他人も妥協して貰えるか考える
- 誰もが欲しがる物件を検討する
- 誰もが欲しがる物件=資産価値が高い
【結論】買ってはいけないマンションとは
買ってはいけない項目 | 対処法 |
資産価値が落ちる新築マンション | 資産価値が高いマンションを選ぶ |
駅から遠いマンション | 駅近を探す 車通勤などで妥協する場合は、価値低下を納得しておく |
デザインが凝りすぎているマンション | 修繕積立金などの高騰が予測されるので資金確保 資産価値は高い事が多いので運用目的 |
躯体の状態が悪いマンション | 購入しない |
築35年以上のマンション | 基本的におススメはしない 購入する場合は状態を要確認 |
バルコニーが西向きの部屋 | おススメしない 西日対策必要 |
管理状態が悪いマンション | おススメしない 資金的・居住モラル的に問題があるかも |
- 良いところも悪いところも納得してから買う
- 悪いところはご自身の妥協点だから今後文句言わない!(大事)
- 後々ご自身で文句言いそうな点は妥協できていないので購入しない
- 結局最後は自分自身で判断する
- 上記をふまえて慎重に考えよう!
では、またっ!